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切手とジュリアと山野辺彩

毎日歩いている道にある梅の木の花が咲いた。
梅には悪いが、桜ほど咲く前から楽しみにできず、毎年この道の梅が咲くのをみて、ああそういえば昨日は春のようにあったたかたしもう2月だし、、と季節を感じている。言い訳にはなるが、毎年決まって梅の花が咲く前の頃が一番余裕がないのである。


さて今回いろいろ準備している企画をホームページにアップしました。

1つ目の企画は、DMにも小さく書いた切手企画。
当日うちの傘を差してきてくれたら切手を1枚プレゼント。案内状に貼ってあったのに気がついた人もいるかな、オリジナルの記念切手で、今までの絵柄などなど全15種類。ちなみに切手ガチャポンも登場予定で、傘をお持ちになれない方や、もっとほしい方はガチャポンもどうぞ。

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お次は東京会場の土日のみになるのだけど、コーヒー屋さん「ジュリアコーヒー」がやってきます。インドネシア・フローレス島の日本になかったコーヒー「ジュリア」。コーヒー豆での販売は国内で始まっていますが、こうして直接ハンドドリップで淹れてくれるのは日本初となります。


JuriaCoffee Profile:コーヒー生産地とそこで生きる人々を自分の目で見るため、世界最初の植民地コーヒー産地、インドネシアへ単身で渡る。2011年フローレス島で、アラビカ種「ジュリア」の樹とその生産者に出会う。2013年 バリ島スニマンコーヒースタジオに勤めながら生産者のジュリアへの思いを市場へ届けるべく、彼らとジュリアの品質向上に取り組む。
http://www.facebook.com/juriacoffee/

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3つ目の企画では、山野辺彩さんに特別に器を作ってもらいました。
知っている人は多いと思いますが人気作家さんです。代名詞とも言える柔らかい手描きの作風はイイダ傘店に通じる部分もあり、とても好きな雰囲気を持っています。焼き物の勉強や修行はなく、陶芸サークルが元になっているあたりにも親近感を感じている身近な作家さんです。

昨年度も個展や陶器市でめまぐるしく活動されていて、2015年は少しゆっくりしようとされていたようですが、少し休まないでもらいました。
今回はイイダ傘店の絵柄を元にした特注ですが、山野辺彩さんの世界観を纏った作品に仕上がっているところはさすがです。

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そのほか、傘はもちろん色々な準備が今週モリモリと仕上がっていきます。

今週土曜から、お待ちしております。お楽しみに。

平成二十七年 今

2015年は傘店10年目になる。
声高に言うつもりはなかったのだが、隠すことでもないし年賀状やら年始挨拶やらで書いていたら、自分で思っていたより意識が向いてしまった。
そうこうしているうちに今年の展示会はちょっとだけ違う感じでやることになってきた。


10年前を思い出すと、やり始めた頃だからかなかなか濃密に記憶が蘇ってくる。
睡眠を気にせず傘を研究し、会いたい人に会いに行き、仕事にならないイベントに全力を注ぎ、自分で生活を決めているだけで毎日が充実していた。
お金よりも時間があり、基本暇、基本徒歩、食事は自炊、チャーハンの具はお米だけだった。


そうして初めて開催した展示会から、時間で言うと10年、回数にすると18回展示会を巡回した。
特にお手本もなくやってきた活動だし、僕は自分でイメージした方に勝手に進む癖があるから、良くも悪くも独自のやり方でここまで来たんだなあと思う。
たかが傘をオーダーメイドしたり、されど傘を3か月も待たせたり、最初の頃のお客さんは??と思った人も多いと思う。
展示会場の場所も、ただなんとなく関西ということで縁のあった京都でやり、その後はラーメンが食べたくて福岡へ、そしてメンバーの地元という理由で神戸へ。
そのまま順当に会場が増えていくのかと思いきや、手いっぱいになり、その4会場のまま今に至る。今の僕に言わせれば無計画すぎてダメである。
当初は100枚程度だった案内も、郵便に限ると頑なに郵送し続けた結果、今では4000通超に切手を貼って出している。
テキスタイルのモチーフに海苔やイカが登場するが、今だったら見えない何かに躊躇してしまい形になっていなかったかもしれない。


そんなこんな、周りから見たら少しおかしな事もやってきてしまったし、その代わり周りが思わなかったようなこともやってきた結果が今であると思う。

今思えば、もっとこうしたらよかったとか、あの時ああしていたらなあなんて思うけど、それを考え始めたらきりがないし、その結果がどうなったかはわからないし、10年やって学んだことは、まあこれはこれだということ。これが現実とうこと。
続いているから何よりということ。


春展のスタートは今月末の2/28(土)が初日。今回はライトボックススタジオ青山にて。

今回も色々考えて準備しているけれど、色々不行き届きな点や、物足りない部分や、?な部分もあるかもしれませんが、どうかご了承ください。
昔からしたら全く想像もしてなかったような10年目の展示会ですが、こんなんなったか、というか自分でも楽しみ。
これが今のイイダ傘店です。

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平成18年春/バーデンバーデン


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平成19年秋/リムアート別館


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平成20年秋/品川ターミナルラウンジ


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平成21年秋/リムアート別館


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平成23年春/アノニマスタジオ


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平成24年秋/TRITON CAFE

みじかい冬

今年も残すところ12月のみ。
傘店も月並みに忙しなく過ごすだろう。

傘店はもう何年も変わらぬサイクルで展示会・傘作りをしている。
年に2回の展示会をしていて、仕事のサイクルを単純化して1月から書くと

準備→展示会→傘作り/お届け→準備→展示会→傘作り/お届け

実際には準備と傘作りが重なっていたりして、なんだか平均的に余裕がなくなっているのが傘店の例年の流れ。

季節仕事の印象からかよく聞かれるのが「何月頃が忙しい(or余裕がある)時期なんですか?」の話題に関しては、苦笑いをしつつ「年間でそんなに波はないのかなあ」みたいな返答になってしまい、おそらくなんだか暇そうに思われているのだろうなあ、とまたさらに苦笑いになっていく。

盆と正月は休めている程度なので、業界の人達よりは余裕はあるのだが、1年が13か月あればなあ、と思ってしまう。

今月は春に向けての準備をしつつ、オーダー(東京・京都の会場分)の傘の仕上げ仕上げ。
制作は全体的に遅れている、、、傘のオーダーを忘れているような方は問題ございませんが、心待ちにしてくださっている方はどうかもうちょいお待ちを。。。

ある程度制作を落ち着けて、年を越したいなあ。大掃除はもう年明けかもな。(例年通り、、。)

来季のことも少しづつ考えはじめた。2月の下旬には春の展示会。
もう最近は冬が短いこと。
休もうかとも立ち止まったけれど、無理のない程度に、ちゃんと考えて準備しよう。
この仕事が役に立つのは、人を楽しませることでしかないから。



平成二十六年秋 完

雨傘展の巡回地、最後となる福岡会場がおわった。
秋の展示会は8月末から4ヶ所を回っている。

メインの東京会場、展示会を始めた時は東京1ヶ所だった。
その次は京都会場、2ヶ所目としてなんとなく関西がいいかなと、縁があった恵文社でやるようになった。
神戸は年に2回実家に帰れるからで、福岡はラーメンが食べたかったから。

元々画廊巡りとかをしていた僕が当初イメージしていた展示会は、知り合い含めて来てくれたお客さんと話をしたり、関係ない話をしたり、ゆっくりそこで、お互いが時間を過ごすような空間。
お客さんがいない時間も長くあり、その時間は自分と向き合う時間になる。

傘のオーダー会というファッション寄りの展示会なので、東京の展示会ではなかなかそんな空間とは程遠いが、福岡の会場では少し、それが実現できている。
僕が自分の展示会に立つことができるのは東京会場のうち幾日かと、福岡会場だけ、1人体制の福岡展のこの五日間はとても貴重だ。

福岡でもう何回目?初めて来たお客さんや、福岡で昔から付き合いがある人や、毎回必ず話題に出る。
毎回必ず1から数えて、、、7年目、展示会数でいうと14回目だった。

傘店は来季で10年目、どうしようかなとは少し前からたまに考えている。
普通に考えたらいつもより盛大にやりたいけれども、どうもそんなタイミングではないようだ。逆に、一度立ち止まって考える年になるかもしれないな。
どんどん大きくしていくのは素晴らしいけれど、何も考えずにそっちに向かうといいうのは、単純思考で、安易で、僕の頭にはない。
目の前だけのことではなく、続けていきたいから。

いつも福岡は最終日に搬出して最終21時の飛行機に飛び乗るのだが、今回は次の日に時間をとって1日片づけをした。誰もいない会場で、ゆっくり片づけをして、いろいろ考えた。
「じゃあまた桜の季節に。」福岡のみんなはそう言ってくれるけど、僕も行きたいけれど、どうかな、桜は見れるかな。


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今回のメイン「スパイス」

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恵文社の空間

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光がきれいなトリトンカフェ

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アートスペース・テトラ

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今回のお土産はスワンさん

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各地でおでんの夜

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思いがけず博多で月食









壊れかけ

傘店のアトリエは当初は自宅兼だった。
後に住居とアトリエとを分けたが、家具など、そのままアトリエに残したものは多い。
途中で必要に応じて購入したものもあるが、アトリエにあるたいていのものは初期から長く使っている。

どこか壊れても致命的でなければ使い続けてしまう質で、ふと見回すと、壊れかけのものが増えていた。

壊れかけの扇風機
壊れかけの椅子
壊れかけのカメラ
壊れかけのカメラ2
壊れかけの掃除機
壊れかけのパソコン
壊れかけの棚
壊れかけの冷蔵庫
壊れかけのシュレッダー
壊れかけのプリンター
壊れかけのガスキッチン
壊れかけの階段

、、、    ラジオは壊れていません。


書いてみると、自分が思っていたよりけっこう壊れかけている。
掃除機なんかは見るからに持つところが真っ二つで中の配線が踊り出ていたり、扇風機は専用のボールペンで押さないと電源が入らないので扇風機の首にそのペンがセットされていたりと、見た目はあまりよろしくない。

けど壊れかけでも使えるなら問題ないし、物は物でもここまで一緒にやってきたという仲間意識のほうが強く、買い替えるにはモッタイナイ。ギリギリまで一緒に生きていくんだ。

そんなある夏の日、ついに冷蔵庫が壊れた。

真夏のアトリエは本当に暑い。アルバイトもたくさん来ていたタイミングだったので、急いで冷蔵庫を手配して、壊れた冷蔵庫は家電リサイクル法に準じて出した。
自分の仲間意識の薄さにショックを受けつつ、本当に壊れてしまうとどうしようもないんだということを痛感。その冷蔵庫は実家の親の寝室からもらってきたものだけに軽く10年以上、冷蔵庫との多くの思い出に浸りつつ、いろいろ冷やしてくれたなあと感謝しつつ、今は2代目で麦茶を冷やしている。


アルバイトの子らに指摘されて気が付いたのだが、アトリエには壊れかけのものが多いなんてまったく気が付かなかった。ずっと一緒だとなかなかわからないものなんだなあ。
次はカメラとパソコンを治すかな。


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春と秋のすきま

夏だ。

傘店は、春に日傘展をしてオーダー分の傘を作って次の準備をして、秋に雨傘展をしてオーダー分の傘を作って次の準備をして、春に、、、と、もうここ何年も同じサイクルで仕事をしている。

こうやっていると年中基本的には傘作りをしているという事になるのだが、毎年春と秋の間のちょこっとだけ隙間が生まれる。それが今で、傘作りが少しだけ落ち着き、秋展の準備や、データ入力などおろそかにしてきた事務作業、そして次の準備に時間を費やしている。

しかし月日は早いもので、気が付けば明後日から8月だ。
お盆をはさみ秋展はすぐそこ、月末には展示が始まるので、そろそろうかうかしていられなくなる。
日傘を作りながら、札幌に行きながら、少しづつ進めてはいたけども、まだまだ形になっていない事がたくさん、、、。
新作の布、傘、手元、新グッズ、紙ものアイテム、ノベルティやチャリティの企画、制作、DM準備と発送、会場準備。。。
ちなみに8月は布博TOKYOもあるのでその準備もしないと。
大掃除もしないとだし、ウィンドウズXPなのもどうにかしないと。

ブログのくせに、自分の頭を整理するような内容になってしまったがアシカラズ。
ま、1か月あればどうにかなるか。

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夏までのいろいろ

暖かくなって、ゴールデンウィークも終わり、五月場所も始まり、はやいもので季節は春から少しづつ夏に変わろうとしています。
そんなこの頃、夏あたりまでのイベントなどを少しまとめて告知させていただきます。

・初夏の傘展/倉敷アチブランチ ※現在開催中
4/29(祝火)~5/25(日)
5/12(月)19(月)23(金)はお休み
傘(現品)の販売とグッズの販売をしています。

・暮らしのSTORE展/ジェイアール名古屋タカシマヤ(10F催事場)
6/21(土)22(日)
暮らしのSTORE展というイベントに上記2日間のみ参加します。
グッズのみで傘の販売は予定しておりません。
http://www.jr-takashimaya.co.jp/event/120620life_store/

・夏の傘展/青山スパイラルマーケット
6/20(金)~7/3(木)
青山スパイラルマーケット(2F)にて傘(現品)の販売とグッズの販売を予定しています。
http://www.spiral.co.jp/e_schedule/detail_1129.html

・夏の傘展/札幌Coin
7 /12(土)~7/21(祝月)
札幌コワンにて4回目となるイベント。傘(現品)の販売とグッズの販売を予定しています。
http://coin-home.com/

・布博 in 札幌
7 /26(土)27(日)
札幌にて行われる布博に参加します。生地・グッズのみで傘の販売は予定しておりません。


また、今週末から行われるモリカゲシャツSAPPORO(http://www.mrkgs.com/weblog/?cat=24)にて、イイダ傘店の生地「hutte」を使ったワンピースとシャツ、バッグが登場します。
ワンピースとシャツは5月22日(木)~5月25日(日)の期間にオーダー受付し、バッグは現品販売する予定です。詳しくは下記ホームページをご覧ください。
http://www.mrkgs.com/weblog/?p=13142

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「イイダ傘店のデザイン」と胃腸炎

先月4/20に書籍「イイダ傘店のデザイン」が発売された。

3年くらい前から出版社の方とは話をしていたのだが、お互い特に大きな動きもなく、しばらくフワフワしていた企画が急に動き出したのは2013年に入った頃だった。

最初に決まっていたのは、¨イイダ傘店の本¨という事だけで、それ以外は白紙というか、自由だった。
そこから、内容、デザイン、写真や構成などを決めて、実際に撮影し、文章を入れ込み、ページをデザインしていったのは実質半年。関係者みんなが本気で過ごした怒涛の2013年が詰まった1冊になった。タイトルの「イイダ傘店のデザイン」というのは、最初から分かりやすく(仮)で呼んでいたタイトルがそのまま採用された形だ。

著者として僕の名前が出ているし、普段からテキスタイルやDMのデザインをしているから、本のデザインも自分でやっていると思われがちだが、デザインは全てデザイナーの仕事で、僕も途中のサンプルページを楽しみにしていた立場だ。彼は僕が信頼を寄せている同級生のデザイナーで、巻末に名前が出ている。

撮影ももちろんプロのカメラマンだが、前から仲良くしている友人で今回初めて仕事を共にした。カメラマンという事は何となく知っていたけれど、普段はドライブをしたり川に入ったりする仲間なので、今回撮影現場を目の当たりにして、改めてプロのカメラマンだということを実感した。

そんな中での僕の仕事は、今までの傘や布にまつわるコメントや文章だった。出版社の方はそれを¨執筆¨と呼び、もうそろそろ僕の人生には縁がないだろうと思っていた¨執筆¨業務を僕は初めてやることになった。よく作家さんがやるホテルに缶詰も経験し、喫茶店やカフェでの執筆活動にも慣れた。おかげで飲めなかったコーヒーが飲めるようになり、スタバの会員にもなってしまった。

発売日が決まってからは、それに遅れないようにやり取りはさらに頻繁になり、急ピッチで仕上がっていった。本ができる前に思っていたのは、もし本当に発売される日が来たら、自分の目で本屋で探し、近所のカフェでコーヒーでも飲みながらゆっくり読んでみたいと思っていた。

しかし現実はそんなに甘くはなかった。僕は年に一度なにかの山が終わると胃腸炎になるのだが、経験豊富な僕は倒れるのが事前にわかってしまうベテラン。
「早ければ明日にでも書店に並びそうです。」と連絡を受けて安心したその夜、「早ければ明日にでも倒れそうだな。」と布団の中で、本の発売の楽しみと、やってくる胃腸炎の恐怖とを両立していた。

そうして予定通り全国の書店に本が並んだその日、予想通り僕は胃腸炎になり水も飲めずに1日寝込んでいた。自分よりも先に本を手に取る人がいると思うとちょっと悔しい反面、嬉しさもこみあげてきたが、何よりも現実は胃が痛いのでそんなことを考える余裕はほとんどなかった。
ただ、本を作っていた頃から「これは終わったら胃腸炎だな」と妥協せず取り組んでいたので、やりきったという事を自分以外の誰か(胃)が認めてくれたようで、ベットの上での激痛に不思議と満足していた。

本のために今までの仕事を整理して気がついたのだが、傘店は早くも9年目、来年は10年となる。今までの傘店の初期段階の仕事が本になり、少し一区切り。特別新しいことはしないと思うが、次のステップというか、続けていくためにまた何か新鮮な気持ちでやっていきたいな、と思う。

もし本を読んでここを読んでいる方がいたら、とても嬉しい。ありがとうございます。
本の存在すら知らなかった方へ向けて、巻頭の¨はじめに¨を転載します。
もしよかったら、本屋で探してみてください。


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はじめに   (「イイダ傘店のデザイン」より抜粋)


傘に興味がなかった僕が、自分で染めた布の表現の仕方として、偶然なんとなく傘にしてみたのが僕と傘の出会いだった。「どうして傘を作ろうと思ったんですか?」とは、うんざりするほど質問されているが、うんざりしてしまう理由の1つは、どうしてか自分でも思い出せず上手に答えられないからだろう。

だんだん傘にも興味を持ち始め、こんな感じの傘があったらいいな、と想像するようになっていった。まずはいい傘を知ろうと、世の中の専門店や傘を見て歩いた帰り、日が暮れた渋谷を歩きながら「僕がイメージしているような傘が世の中にはないんだ」と、ネオンで明るい夜空を見上げて思ったのが、¨傘¨を自分の中にさらに深く意識するようになった最初の記憶だ。10年くらい前だろうか。

頭の中にある¨こんな感じの傘¨は、いくら言葉で話しても人には伝わらず、とはいえ自分ですぐに傘にすることはできず、「どう?こんな傘!」と心の中で叫びつつ、もやもやした気持ちを抱え、家にある傘を分解してどうにか形にできないかと手を動かした。

今ではそれが少し形になり展示会も開催すようになったが、作家のような活動のため
¨こんな感じの傘¨はまだまだ一部の人しか知らない。この本を通じて、少しでも多くの人に僕の作った傘を紹介できれば嬉しく思う。どう?こんな傘。
売りたいわけではないので、使う使わないお構いなく、「こんな傘、楽しいね」と思ってもらえたら、作家として本望である。

子供の頃に、お気に入りの傘をもった時の「雨、降らないかな?」あの心躍る感じ。
赤い傘?青い傘?僕は黄色い傘だった。そんな感覚が記憶の彼方に残っている方も多いと思う。久しぶりにそんな感覚を思い出して、ページをめくってもらえたら。

飯田 純久
イイダ傘店

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福岡展と、菊池亜希子さんの単行本と、NHKドラマと

春ですね。4月に入りました。
4月の3日から日傘展・福岡を開催しています。

神戸の展示会後、トリトンカフェから1日に荷物を出して
2日には福岡会場に届いて搬入し、
3日には落ち着いて初日を迎えたかったのですが、

年度末と消費税改定の影響で荷物が遅れてしまい、2日には届かず、初日3日の10時過ぎに届きました。
お昼頃に届けば開き直って、日傘だけ並べて八百屋みたいにやろうかと考えていたのですが、微妙にOPENまで2時間、、、頑張って展示しました。

週明けの8日火曜日までやっています。

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前に雑誌のLEEで記事に書いていただいた、「菊池亜希子の仕事場探訪」の連載が単行本になりました。
他に載っているのは仕事場をのぞいてみたい方々ばかり。ぜひご覧ください。


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『菊池亜希子のおじゃまします 仕事場探訪20人』
菊池亜希子・著
4月7日(月)発売/LEE特別編集【集英社】


糸井重里さん コピーライター
くらもちふさこさん 漫画家
阿部好世さん プティローブノアー
幅允孝さん ブックディレクター
皆川明さん ミナ ペルホネン
甲斐みのりさん 文筆家
カトウキョウコさん・ジヌシジュンコさん アンティパスト
舟越桂さん 彫刻家
飯田純久さん イイダ傘店
唐澤明日香さん アトリエ ペネロープ
祖父江慎さん 装丁家
高山なおみさん 料理家
宮崎吾朗さん 映画監督
松浦弥太郎さん 『暮しの手帖』編集長
sunui デザイン集団
TRUCK 家具屋
手塚貴晴さん・由比さん 建築家
小川洋子さん 小説家
細野晴臣さん 音楽家


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4/19(土)から(午後9時~)NHKではじまる土曜ドラマ「ロング・グッドバイ」にイイダ傘店の傘が登場します。
主演の浅野忠信さんや太田莉菜さんがドラマ内で使う雨傘です。
全5話とのこと。お楽しみに。

【放送予定】
 2014年4月19日(土)スタート
 総合・毎週土曜日 午後9時~9時58分(連続5回)

【原作】
 レイモンド・チャンドラー「ロング・グッドバイ」

【脚本】
 渡辺あや

【音楽】
 大友良英

【出演】
 浅野忠信  綾野剛  小雪  古田新太  冨永愛  太田莉菜  滝藤賢一
 田口トモロヲ 福島リラ 岩松 了 でんでん 泉澤祐希 やべきょうすけ
 堀部圭亮 渡辺大知 石田えり 遠藤憲一 吉田鋼太郎  柄本明 ほか


http://www9.nhk.or.jp/dramatopics-blog/6000/177419.html




2014春 日傘展の準備中

雪が続いて、横浜のアトリエは何の被害も無かったけれど、ここ2週間は色々荷物が届かなかったり、送れなかったり、工場の職人さんは雪かきしないとだし、、、。
けど、天気は自然、すがすがしく「しょうがない」と思いつつ、そんな中、何とかGOALがみえた。

春の展示、今週末からです。
まだまだ寒いですね。
そろそろ、あったかくなーれ☂

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