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SAPPORO傘店

春のオーダー会の巡業もいよいよ終盤。
毎回各地に足を運びながら、もう少しで終わってしまうなあ、と安心と寂しさに気付くのはいつもこの頃。

残る会場は、今回久しぶりに新しく増えた¨札幌会場¨。
4月の北海道はまだまだ寒いのかな、などと思いつつ札幌でのオーダー会を楽しみにしている。

オーダー会はけっこうな初期から、東京、京都、神戸、福岡で固定してやってきた。
固定したかったわけではないが、自分達で足を運び、一人々々オーダーをいただき、レジとかもやって、傘を作り、届け、なおかつ1本ずつしかない見本の傘を持って周るのには4会場が限界だった。

かれこれこの4会場でやってきたのだが、今回新しい地で開催できるのは、余裕ができたからでも限界を超越したわけでもなく、札幌にあるお店¨coin¨の店主・東さんのおかげだ。

札幌の方やイイダ傘店に詳しい人には有名だとは思うが、コワンは札幌市内の南1条西15丁目にある古いビルの一室にあるお店。繁華街や路面店ではなく、ここに来る人だけが入り口でインターホンを押し、解錠されてから3階にあがり、扉を開けてそっと買い物をする、そんな小さなお店。

この新しい会場の実現を振り返れば、9年くらい前に遡る。当時まだまだインターネットの情報も今ほどではなく、東京のオーダー会のお客さんは東京の人達がほとんどだった時代に、東さんは現れた。期間中のある日の閉店後、「札幌でお店をやっている人が本日きてくれました」とスタッフから聞いた。僕は他の接客中で挨拶できなかったが、そんな遠くからならお礼くらい伝えたかったなあ、くらいにしか思わなかった。
忘れたころの半年後、東さんはまたオーダー会にやってきた。少しは挨拶をできたが、「いつか札幌でもオーダー会をしましょ」と最後に言い帰っていった。

少人数だった当時は、何か新しいお仕事の話にお声掛けいただいても、傘作りに追われて返事をする余裕もなかったが、東さんはメールではなく期間中に来て、「いつかしましょ」と言うだけなので、返事をする必要もなく、「いつか」というのでプレッシャーもなく、何回かそうやって東京に足を運んでくれた。
そうして少し心構えができた頃に僕から連絡をしてみたところ、快く受け入れてくれて、結局3年後にコワンにて初めてのイベントが実現することになった。


それからは毎年お店でのイベントは定着して、毎年東京に打ち合わせに来てくれて、6年続いてきた。

仕事になってからの出会いでも、こういうつながり方、関係ができるんだなあと、前向きなお付き合いをさせてもらって、今思えば学ばせてもらった経験になっている。

出会って3年、イベントをやって6年、それで昨年も東京で会った時に話していて¨いつか¨と9年前に話していた¨オーダー会¨を「やりましょ」と実現したのが、今年久しぶりに新しく増えた札幌会場。

場所は変わらずコワンで。

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雪解けのころ、桜の開花もまだ、寒さが残る季節かもしれませんが、イイダ傘店・雨傘日傘展/札幌会場にぜひ足をお運びください。ビルの下まで来て301号室のインターホンを押してもらえると、解錠されて入り口が開きます。

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